昭和から平成、そして令和の角界を力強く彩ってきた元大関・琴風豪規こと元尾車親方。鋭い出足からの「がぶり寄り」で土俵を席巻し、レコードを出せば大ヒットを記録、親方時代には温かい眼差しが光るNHK相撲解説で国民的な人気を博しました。
現役時代の選手生命を脅かす大怪我や、親方就任後に見舞われた頸椎損傷という未曾有の大事故など、幾多の苦難を乗り越えてきたことでも知られています。2022年の日本相撲協会定年退職を経て、2026年を迎えた現在、どのような日々を過ごしているのでしょうか。奇跡の復活劇の舞台裏や家族との絆、そして相撲界に残した足跡を徹底取材しました。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:2022年の相撲協会定年退職後も相撲評論や講演活動を精力的に継続し、2026年現在も穏やかな生活のなかで元気な姿を見せている。
- 要点2:現役時代の大怪我による序二段転落からの大関昇進、さらに2012年の頸椎損傷による全身麻痺からの驚異的なリハビリ復帰という「2度の奇跡」を達成。
- 要点3:大ヒット曲『まわり道』の歌詞通り、妻や家族の献身的な支えを受けながら不屈の精神で歩み続けた人生観が多くの人々に勇気を与えている。
【2026年最新】元大関・琴風豪規(元尾車親方)の現在と定年退職後の暮らし
2022年4月に65歳の日本相撲協会定年退職を迎えた元尾車親方こと琴風豪規さん。定年後も再雇用制度を利用して後進の指導にあたっていましたが、規定の任期を全うした現在は、第一線の勝負の世界から一歩身を引き、充実したセカンドライフを歩んでいます。
相撲界の重鎮として、本場所の時期にはメディアでの鋭くも温かい相撲評論を展開するほか、自身が経験した大事故からのリハビリや人生観を語る講演会に登壇。2026年現在も、角界への深い愛情は変わることなく、後輩力士たちの活躍に目を細めています。体調面も日々の地道なストレッチや健康管理を欠かさず、穏やかで笑顔あふれるシニアライフを妻とともに楽しんでいます。
土俵を沸かせた「がぶり寄り」と奇跡のカムバック|琴風豪規の輝かしい経歴
三重県津市出身の琴風豪規さんは、先代・佐渡ヶ嶽親方(元横綱・琴櫻)の熱心な勧誘を受けて佐渡ヶ嶽部屋に入門。1971年7月場所に初土俵を踏みました。下半身の強さと柔軟な腰の重さを活かし、相手の上体を起こしながら一気に土俵際へ追い詰める「がぶり寄り」を武器に、瞬く間に番付を駆け上がりました。
順風満帆に見えた力士人生でしたが、1979年に左膝内外側側副靭帯断裂という相撲生命に関わる大怪我を負います。当時の医療技術では現役復帰すら困難と囁かれ、大関候補から一転、一時は序二段にまで転落を余儀なくされました。しかし、持ち前の不屈の闘志で過酷なリハビリに耐え抜き、脅威の連勝劇を重ねて幕内へ奇跡の返り咲きを果たします。1981年秋場所での初優勝を経て大関へ昇進。幕内最高優勝を2度記録するなど、大相撲史に残る不屈の復活劇として語り継がれています。
演歌界を揺るがした大ヒット曲『まわり道』|相撲界随一の美声と逸話
琴風豪規さんの名を世に知らしめたのは、土俵上の活躍だけではありませんでした。1982年にリリースされた演歌シングル『まわり道』は、大相撲ファンのみならず一般層の間でも爆発的な人気を呼び、50万枚を超える大ヒットを記録しました。
角界屈指の美声と哀愁漂う歌声、そして怪我を乗り越えて遠回りしながら大関に這い上がった本人の生き様が歌詞と見事に重なり、日本レコード大賞特別賞を受賞するなど社会現象に発展。現役大関でありながら歌番組に多数出演し、お茶の間の人気者となりました。この『まわり道』という言葉は、その後の苦難に満ちた人生を支える象徴的なフレーズにもなっていきます。
死線をさまよった頸椎損傷事故と壮絶なリハビリ|不屈の闘志を支えた妻と家族の愛
指導者としても確固たる地位を築いていた2012年4月、地方巡業先の宿舎の風呂場で足を滑らせ転倒し、頸椎捻挫・頸髄損傷という絶望的な大事故に見舞われます。首から下が麻痺し、自発呼吸すら困難で人工呼吸器を装着する重篤な状態に陥り、医師からは「再び歩くことは極めて困難」と宣告されました。
絶望の淵に立たされた琴風さんを支えたのが、妻をはじめとする家族の献身でした。夫人は病室に毎日通い詰め、少しも動かない指先や足の感覚を信じて必死にマッサージを継続。琴風さん自身も「もう一度自分の足で立ち、土俵に戻る」という強い執念を燃やし、涙を流すほどの激痛が走る過酷なリハビリテーションを敢行しました。数ミリ単位で指が動き始めた奇跡を皮切りに、車椅子生活を経て、ついに自力で歩行できるまでに回復。医療関係者をも驚嘆させたこの生還劇の裏には、家族の無償の愛と深い絆がありました。
尾車部屋の創設と名弟子たちの育成|親方としての指導力とNHK名解説の功績
1985年の現役引退後、年寄・尾車を襲名した琴風さんは、1987年に独立して尾車部屋を創設。師匠として関取を育てる手腕にも定評があり、元関脇の豪風(現・押尾川親方)や嘉風(現・中村親方)など、小兵ながら技能派として土俵を沸かせた名力士たちを数多く世に送り出しました。礼儀作法を重んじ、力士一人ひとりの個性を伸ばす温情ある指導法は、角界内でも高く評価されました。
また、長年にわたり務めたNHK相撲解説での語り口は、ファンから絶大な支持を集めました。大怪我や大事故を経験したからこそわかる力士の心理や怪我への配慮、そして取組の妙味を初心者にもわかりやすく噛み砕いて伝える解説は「尾車節」として親しまれ、大相撲中継の魅力を大きく引き上げました。
【琴風豪規】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:琴風豪規さんの現在の体調や健康状態はどうですか?
A1:2012年の重傷事故からの奇跡的な回復以降、現在も後遺症と向き合いながら日々のケアを続けていますが、自力歩行が可能で体調は非常に安定しています。2026年現在も元気な笑顔を見せており、健康的なシニアライフを送っています。
Q2:尾車部屋は現在どうなっていますか?
A2:元尾車親方の定年退職に伴い、尾車部屋は2022年に閉鎖されました。弟子や部屋の施設・精神は、部屋付き親方だった元関脇・豪風の押尾川部屋や、元関脇・嘉風の中村部屋などに受け継がれ、今も伝統が息づいています。
Q3:琴風さんのヒット曲『まわり道』は今でも聴くことができますか?
A3:音楽配信サービスやベスト盤CD、カラオケなどで現在も親しまれています。相撲界を代表する名曲演歌として、相撲ファンの間では今なお定番の一曲です。
まとめ:波乱万丈の「まわり道」を歩み続ける琴風豪規の不屈の人生訓
膝の靭帯断裂による序二段からの復活劇、大ヒット曲に沸いた栄光の日々、そして全身麻痺の宣告を覆した頸椎損傷からの奇跡の生還。琴風豪規さんの足跡を振り返ると、その人生はまさに名曲『まわり道』の歌詞そのものを体現してきた軌跡であったことがわかります。
どんな逆境にあっても希望を捨てず、支えてくれる家族や周囲への感謝を忘れずに前へ進み続けたその姿勢は、現役を退いた2026年の今も色褪せることはありません。相撲界に刻まれた元大関・琴風の不屈の魂は、これからも多くの人々の心に勇気を与え続けていくはずです。 (出典: 琴 風 豪 規(Yahoo!ニュース))