ど ぶろ っ く 出身のルーツをたどると、佐賀県の東端に位置する緑豊かな町・基山町(きやまちょう)に行き着く。福岡県との県境に接し、古くは宿場町として栄えたのどかな田園風景が広がるこの地こそ、日本中を爆笑の渦に巻き込んできた唯一無二の歌ネタコンビが育った約束の場所だ。森慎太郎と江口直人。保育園の砂場で出会った二人の少年が、いかにしてアコースティックギターを抱え、下ネタを芸術の域にまで昇華させるトップ芸人へと駆け上がったのか。その原動力は、郷里の風土と四半世紀を超える濃密な信頼関係にあった。
現在、テレビ番組や配信プラットフォームを席巻している彼らだが、芸人としての骨格を形作ったど ぶろ っ く 出身地である基山町での原体験にいま改めて注目が集まっている。泥臭くもどこか哀愁と優しさが漂うメロディ、そして一度聴いたら耳から離れない言葉のフック。都会育ちのスマートな笑いとは一線を画す「人間臭さ」の源流を紐解く。
佐賀県基山町が生んだ二人の軌跡!知られざる学生時代と結成秘話
保育園から小・中学校時代に至るまで、二人は常に同じ景色を見て育った。基山町の雄大な自然を駆け回り、くだらない冗談で腹を抱えて笑い転げる日常。江口直人の枠にとらわれない奔放な発想力と、それを隣で面白がりながら絶妙に受け止める森慎太郎の包容力は、すでにこの少年時代に完成されていたといっていい。
高校卒業後、それぞれ別の大学へ進学し一度は別の道を歩み始めた二人だったが、互いの存在が頭から離れることはなかった。役者を志して上京していた江口が、地元で就職活動を控えていた森に「一緒に東京で面白いことをやらないか」と声をかけたことが運命の歯車を大きく動かす。2004年のコンビ結成。遠い佐賀の地で培った阿吽の呼吸を武器に、若き二人は東京の荒波へと飛び込んでいった。
名門・佐賀県立鳥栖高等学校での運命的な出会いと挫折
二人の青春時代を語る上で欠かせないのが、地元の進学校としても知られる佐賀県立鳥栖高等学校での日々だ。森はテニス部に所属しインターハイ出場を果たすほどのスポーツマン、一方の江口もサッカーに熱中するなど、高校時代の二人は決して「お笑い一筋の変わり者」だったわけではない。
部活に汗を流しながらも、放課後になれば互いの部屋に集まり、流行の音楽や映画について夜通し語り合った。思春期特有の焦燥感や将来への漠然とした不安を共有し合えたことが、結果として二人の結びつきをより強固なものにした。何者でもなかった鳥栖高校時代に交わした愚直な会話の数々が、のちに生み出される切なくも可笑しい珠玉のコントの血肉となっている。
浅井企画で花開いた唯一無二の芸風「歌ネタ」誕生の舞台裏
上京後、老舗芸能事務所の浅井企画に所属した二人は、当初オーソドックスなコントや漫才を試行錯誤していた。だが、劇場の反応はいまひとつ伸び悩む。そんな暗中模索のトンネルを抜け出すきっかけとなったのが、森の巧みなギター演奏と江口の圧倒的な美声を融合させた「歌ネタ」へのシフトだった。
哀愁を帯びた本格的なフォークソングやバラードの旋律に乗せて、誰しもが心の奥底に隠し持つ下心や男の哀しさを高らかに歌い上げる。浅井企画の先輩芸人たちに温かく見守られ、アドバイスを受けながら独自のスタイルを極限まで研ぎ澄ませていった。下品と紙一重の題材を扱いながら、決して下劣に堕ちず、どこか愛嬌と叙情詩のような美しささえ感じさせる芸風は、こうして確立された。
キングオブコント王者への戴冠と歌ネタ王決定戦がもたらした革命
彼らの実力が日本中に証明された決定的な瞬間が、2019年の「キングオブコント」優勝である。ミュージカル調の壮大なメロディに乗せて男の悲願を朗々と歌い上げたあのネタは、審査員のみならず全国の視聴者に鮮烈な衝撃を与えた。結成15年目にして手にした栄冠は、歌ネタを極め抜いた職人に対する正当な評価だった。
さらに「歌ネタ王決定戦」でもその圧倒的な存在感を見せつけ、単なる一発屋とは一線を画す実力派コント師としての地位を不動のものにした。音楽としての完成度の高さと、お笑い芸人としての爆発的な瞬発力。二つの要素が高い次元で融合したステージは、賞レースの歴史に深く刻み込まれている。
YouTubeとTVerで拡散し続ける中毒性!令和のファン層拡大
テレビの第一線で活躍を続ける現在も、彼らの進化は止まらない。民放公式テレビ配信サービス「TVer」での見逃し配信では、彼らが出演するバラエティ番組の過激かつ洗練されたパフォーマンスが度々ランキング上位に食い込む。地上波の枠に収まりきらない即興性あふれるやり取りが、深夜番組を中心に熱狂的な支持を集めている。
また、公式「YouTube」チャンネルや関連動画では、楽曲のクオリティに惚れ込んだZ世代や海外のリスナーまでもがコメント欄に集結。「メロディが美しすぎて歌詞の意味を忘れる」「もはや本物のアーティスト」といった絶賛の声が溢れる。伝統的なお笑いの枠組みを軽々と飛び越え、デジタル空間で新たなバズを生み出し続けているのだ。
地元愛が生んだカルチャー!基山町への恩返しとこれからの挑戦
どんなに全国的な知名度を得ても、二人の足元は常に佐賀県基山町にある。町の観光大使やふるさと大使として精力的に活動し、地元イベントへの出演や地域振興にも惜しみなく力を注いできた。町の人々もまた、二人を「基山の誇り」として温かく見守り続けている。
自分たちを育んでくれた山並みや、川のせせらぎ、そして温かな町の人々への感謝。彼らが放つ飾らない言葉とメロディには、常に故郷の風が吹き抜けている。円熟味を増しながらも少年の悪戯心を失わない二人は、これからも基山町が生んだ最高のエンターテイナーとして、日本中に極上の笑いと哀愁を届け続けるに違いない。 (出典: ど ぶろ っ く 出身(Yahoo!ニュース))